しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年12月21日(水)

“業務で石綿暴露 肺がんに”

元検数員 二審も勝訴

大阪高裁

写真

(写真)勝利を喜ぶ原告と支援者ら=20日、大阪市北区

 神戸港で検数業務に従事した全日本検数協会神戸支部(現在、一般社団法人全日検)の元検数員が肺がんを発症したのは、協会の安全配慮義務違反により大量の石綿(アスベスト)に暴露したためだとして損害賠償請求を求めていた裁判で、大阪高裁(太田晃詳裁判長)は20日、一審に続き原告側の主張を支持し、全日検の控訴を棄却しました。

 一審で被害を訴えていたのは、船積貨物の個数や状態の確認など検数業務に従事していた3人。

 高裁判決は「全日検側が検数員のアスベスト被ばくを予見することは可能であり、予見すべきであった」と全日検側の安全配慮義務違反を認め、全日検が主張していた阪神・淡路大震災に起因する大量の石綿の暴露について「事実までは認められない」と退けました。

 野上真由美弁護士は「一審に引き続き、全日検側の安全配慮義務違反などが認められた。全面的勝利です」と話しました。

 3人は「(高裁判決は)当然のこと。全日検側は『阪神・淡路大震災での被ばくによるもの』と主張していたが、退けられ安心しました」「裁判中、全日検側の対応は極めて不誠実でした。みんなのおかげで業務中のアスベスト暴露の事実が認められ、よかった」と語りました。


pageup