2022年12月21日(水)
トマホーク配備2113億円
来年度軍事費 1.4兆円の大幅増狙う
防衛省が2023年度予算案で、「敵基地攻撃能力」(反撃能力)として活用する米国製の長距離巡航ミサイル・トマホークの配備に向け、2113億円を計上することが分かりました。岸田政権は16日の「国家安全保障戦略」など安保3文書の閣議決定で、違憲の敵基地攻撃能力の保有に踏み切りました。国産ミサイルは開発に時間がかかるため、当面はトマホークが敵基地攻撃の主力兵器に位置付けられ、海上自衛隊イージス艦に搭載される方針です。
政府は今後、米国の武器輸出制度である有償軍事援助(FMS)に基づいて購入を進めるため、米側との交渉に入ります。
また、23年度の軍事費総額は、過去最大となった22年度を約1兆4000億円上回り、約6兆8000億円前後とする方向で調整しています。政府は16日に閣議決定した「防衛力整備計画」で、23年度から5年間の軍事費総額を、現行計画の1・5倍超の「43兆円程度」とすると明記。来年度予算案から、異次元の大軍拡への着手を狙っています。
敵基地攻撃兵器では、トマホーク以外にも、敵の射程圏外から攻撃する「スタンド・オフ・ミサイル」の配備を進めます。島しょ防衛用高速滑空弾の開発に2003億円、音速の5倍以上の速度で飛行し迎撃を困難にする「極超音速誘導弾」の研究に585億円を充てます。
陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の代替となる「イージス・システム搭載艦」の建造費として2208億円を計上しました。
自衛隊の「継戦能力」強化に向け、各種弾薬整備に8283億円、企業の弾薬製造ライン拡充支援に1618億円、スタンド・オフ・ミサイルなど大型弾薬用の火薬庫確保に58億円などを盛り込んでいます。








