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2022年12月20日(火)

陸自性暴力

「たたかいは続く」

加害者懲戒免職受け 五ノ井さん会見

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(写真)会見で思いを語る五ノ井里奈さん=19日、日本外国特派員協会

 陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県郡山市)に在職・勤務中に受けた性暴力を告発した元自衛官の五ノ井里奈さん(23)は19日、防衛省が同じ中隊に所属していた加害者の隊員5人を懲戒免職処分としたことを受け、都内の日本外国特派員協会で記者会見を開きました。

 五ノ井さんは「わたしの告発で、世間が注目しなければ、組織は懲戒処分を下す以前に事実が隠蔽(いんぺい)されたまま平然と別の女性隊員に同じ行為を繰り返していたと思う」と発言。性暴力の現場で見ていた複数の男性隊員への処分がないことを「甘い部分がある」と述べ、「今後、自衛隊は処分を厳格化することでハラスメントを根絶してほしい」と語りました。

 また、加害者3人と示談交渉中で、加害者側から1人当たり30万円の示談金の提案があったことを報告。ところが加害者側が「個人責任を問われるかには疑問がある」と話したことに、五ノ井さんは「ことの重大さを軽く受け止めているのではないかとあきれ、驚いた」と強調。「国相手も含めた民事訴訟を検討していく」との考えを明らかにしました。

 防衛省の特別防衛監察でハラスメント被害の申し出総数が1414件だったことについて、「こんなに少ないのかと思った」と述べ、上司の圧力などで被害を申告しにくい状況があると指摘しました。

 五ノ井さんは、昨年6月に自衛隊内で受けた性暴力や、同年8月に4人の加害者から押し倒され、下半身を押し付けられ、その行為の口止めをされたことなどを実名で告発。今年9月に検察審査会は不起訴不当と判断し、防衛省も同月、被害を認定しました。

 今後について五ノ井さんは「たたかいはこれからも続く。自分の軸は柔道だ。柔道で同じように性被害に悩む人を助けたい」と力を込め話しました。


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