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2022年12月19日(月)

きょうの潮流

 半世紀におよぶ運動の原点は、痛ましい交通事故でした。飲酒運転や暴走車によって家族を失った遺族がこうした事故の遺児を励ます会を発足。以来、親を亡くしたり親が働けない子どもたちを支えてきました▼寒風吹くなか寄付を呼びかける若者たちの姿。3年ぶりに再開された「あしなが学生募金」です。コロナ下で自粛してきましたが、今年5月から全国をリレー。最終日の17日には東京・新宿に学生らが集まり、総額6千万円をこえる善意への感謝をのべました▼活動には、のべ3千人以上の遺児学生やボランティアが参加。代表の大学生は「多くの方々の小さな愛が支えている」と謝意を示しながら、コロナや値上げの影響で遺児家庭はさらに苦しんでいると、支援の継続を訴えました▼年越しを前に、いまあちこちの街頭で困窮者を支えるため、くらしを守るため、平和や人権を侵されないための声がこだましています。冬枯れのような寒々とした政治、途方もない税金が軍拡に注ぎ込まれようとしているなかで▼110年前、米国の女性作家ジーン・ウェブスターが世に出した『あしながおじさん』に由来する運動は交通遺児から始まり、さまざまな事情を抱える子どもたちに支え合いの輪を広げてきました。いまでは海外にも救いの手を伸ばしています▼運動のめざす先にあるのは、やさしさの連鎖を世界中に広げながら人間の尊厳が脅かされることのない社会だと。それは多くの人々が切望する国づくりの土台でもあるはずです。


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