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2022年12月19日(月)

主張

薗浦議員の疑惑

資金の流れ徹底的に解明せよ

 東京地検特捜部に事情聴取された自民党の薗浦健太郎衆院議員が、議員辞職の意向を示したと報じられています。同議員の政治団体の政治資金収支報告書に、政治資金パーティーの収入が約4000万円少なく記載されていた政治資金規正法違反の疑いがもたれています。

 岸田文雄政権では、不適切な政治資金処理などを追及された寺田稔前総務相が辞任に追い込まれ、他の閣僚にも「政治とカネ」問題が指摘されています。薗浦議員は、安倍晋三政権下で首相補佐官を務めるなど重用されてきました。疑惑の徹底解明が必要です。

過少記載が常態化の疑い

 薗浦議員が代表の資金管理団体「新時代政経研究会」の収支報告書には2018~20年に政治資金パーティーを6回開催し、計4362万円の収入があったと記載しています。同議員の関係政治団体「そのうら健太郎後援会」の収支報告書にも17~19年にパーティーを3回開き、計約1000万円を集めたことが記されています。

 関係者によれば、実際にはこれよりも約4000万円多く集めていた疑いがあるとされます。政治資金規正法違反の不記載や虚偽記載にあたる可能性があります。

 特捜部は11月末、資金管理団体の会計責任者である薗浦議員の公設第1秘書を任意聴取しました。この時に記者会見した薗浦議員は「ずさんな処理だった」と述べたものの、「秘書に任せすぎた」と自身の関与は認めず、秘書からの事前報告も否定していました。しかし、今月13、14両日の事情聴取で薗浦議員は、秘書から事前報告があったことを認めたといいます。薗浦議員が秘書と共謀していたかどうかが問われます。

 政治資金収支報告書での過少記載は、政治資金の透明性の確保を求める政治資金規正法の趣旨に反する悪質な行為です。

 公設第1秘書に少なく記載する方法を教えたのは、別の元秘書だとされます。元秘書も、薗浦議員に事前報告をしていたと特捜部に供述したと報じられています。長年横行していた疑いが濃厚です。未記載により、使途が分からない裏金の流れも明らかにされなければなりません。薗浦議員には説明責任があります。議員辞職だけではすまされません。

 薗浦議員の政治団体のパーティー券収入をめぐる疑惑は、本紙日曜版(昨年3月21日号)が報じました。日曜版は、薗浦議員の未記載のパーティーには、経営者の勉強会などを運営する会社ライズ・ジャパンが深く関与していることを明らかにしました。同社は自民党の国会議員・地方議員に多くの資金提供をしており、薗浦議員の疑惑だけで終わらせることはできません。岸田政権は全容の解明に責任を果たすべきです。

形変えた企業・団体献金

 政治資金パーティーの券は、大半を企業・団体が購入しているのが実態で、形を変えた企業・団体献金です。名前や金額も公表されにくく、低い透明性が問題になっています。寺田氏の後任の松本剛明総務相にも、会場収容人数を上回るパーティー券を販売した疑惑があります。

 秋葉賢也復興相の政治資金・選挙違反にかかわる疑惑は解明の途上です。相次ぐ「政治とカネ」疑惑をこのままにはできません。


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