2022年12月15日(木)
植民地時代の法 違憲
ゲイの性交渉を犯罪視
バルバドス高裁
【ワシントン=島田峰隆】カリブ海の島国バルバドスの高等裁判所は12日、ゲイ(男性同性愛者)の性交渉を犯罪だと規定した植民地時代の法律について憲法違反だとする判断を示しました。英国の植民地だったカリブ海諸国で今年、同様の法律が違憲とされたのは、アンティグア・バーブーダ、セントクリストファー・ネビスに続いて3カ国目です。
裁判はバルバドスの性的少数者(LGBTQ+)支援者が起こしていました。裁判を支援してきた非営利団体「多様性と平等を求める東カリブ海連盟」は、高裁の判断に対し「バルバドスのすべての国民の権利を強化し、東カリブ海全体のLGBTQ+に影響を与える」と歓迎しました。
同法律はバルバドスが英国の植民地だった時代に導入されました。実際に適用されることはめったにありませんでしたが、性的少数者について犯罪者や劣った国民という印象を与える一因となっていました。
12日の高裁の判断は口頭で行われました。来年1月に書面による判断が示されます。
政府が控訴するかどうかは予断を許しません。ただモトリー首相はかつて同法の廃止を求めたことがあります。
バルバドスは1627年に英国の植民地とされ、1966年11月に独立しました。独立55周年を迎えた昨年、「植民地の過去から脱却する」として、英女王を国家元首とする体制を廃止し、共和制に移行しました。








