しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年12月9日(金)

最高裁 辺野古訴訟で不当判決

沖縄県の上告「門前払い」

 軟弱地盤の存在などを理由に、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり県が行った埋め立て承認の撤回(2018年8月)を取り消した国土交通相の裁決は違法だとして、県が国を相手に裁決取り消しを求めた「抗告訴訟」で、最高裁判所第1小法廷(山口厚裁判長)は8日、県の上告を棄却する不当判決を出しました。

 判決は県の原告適格性を認めず、「門前払い」しました。一方、埋め立て承認そのものの適法性などについての判断は一切、示していません。

 新基地建設を推進する防衛省沖縄防衛局は県による同撤回に対し、私人の権利利益の救済を目的とする行政不服審査制度を乱用して審査請求などを行い、国交相は19年4月の裁決で同撤回を取り消しました。

 これに対し県が行政事件訴訟法に基づき提起した同訴訟の一審那覇地裁判決(20年11月)は、審理対象ではないとして県の訴えを却下。県は同訴訟の控訴審判決(21年12月)が一審の不当判決を支持し、県の控訴を棄却したため上告していました。一方、県は軟弱地盤の改良に伴う辺野古の設計変更申請をめぐっても3件の訴訟をおこしており、今後も法廷闘争はつづきます。

デニー知事 「納得できない」

写真

(写真)最高裁判決を受け記者会見する玉城デニー知事=8日、沖縄県庁

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐる訴訟で県の上告を棄却した最高裁判決を受け、玉城デニー知事は8日、県庁で記者会見し、「国の対応の不当性を指摘していたが、訴訟要件を満たさないとの理由で上告棄却となったことは非常に残念であり到底納得できるものではない」と述べました。

 デニー知事は、今回の最高裁判決が「地方自治体と国はあたかも上級・下級の関係にあると言わんばかりの判断をしたものであり、地方自治の観点からも問題があると言わざるを得ない」と指摘。この問題が沖縄県に限らず全国の地方自治体で起こりうる問題だと訴え、「国民、すべての地方自治体で真剣に考えていただきたい」と呼びかけました。

 そのうえでデニー知事は「地方自治を守るために沖縄県として何ができるのか判決内容を精査し、今後の対応について検討していく」と強調。同時に、辺野古新基地建設問題について引き続き政府に県との対話に応じるよう粘り強く求め、問題解決に向けた国民的議論の機運の醸成などに取り組み、新基地反対の公約実現に全力を尽くす決意を示しました。


pageup