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2022年12月8日(木)

優生思想残っている

障害者支援 倉林氏に参考人

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(写真)発言する長谷川利夫参考人=5日、参院厚労委

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(写真)発言する藤井克徳参考人=5日、参院厚労委

 参院厚生労働委員会は5日、障害者総合支援法案について参考人質疑を行いました。

 特定非営利活動法人日本障害者協議会の藤井克徳代表は、国連障害者権利委員会が出した障害者権利条約に基づく日本への勧告で、障害者政策が「障害者への父権主義(パターナリズム)的アプローチ」だと指摘していると紹介。「日本は障害者を権利の主体ではなく、保護の対象とし、同情的・温情的な視点からアプローチする。優生思想、または健常者優先主義という視点がまだ残っている」と主張しました。

 杏林大保健学部作業療法学科の長谷川利夫教授は、精神科病院での身体拘束が2013年から10年間で2倍になった実態を紹介し、身体拘束の要件緩和で「(これまで違法とされてきた)身体拘束が適法化される可能性がある」と危機感を示しました。

 質疑で日本共産党の倉林明子議員は「優生保護法の全面解決に向けて政府・国会に望むことは何か」と質問。藤井氏は「障害者関係で最初に生まれた法律が優生保護法で、障害者を『不良』と呼称し、高校の保健体育の教科書までそれがまん延した。この点での検証は国会では行われなかった。与野党含めて良識の府の参院では真摯(しんし)に向き合ってほしい」と要望しました。

 倉林氏は、医療機関に身体拘束を減らすための行動制限最小化委員会の設置後も、身体拘束が逆に増えていると指摘し、「制度上の問題は何か」と質問。長谷川氏は「形式だけで、極めて形骸化している。本当に身体拘束を減らすための検討をやっていない」と指摘しました。


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