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2022年12月7日(水)

「障害者総合支援法改定案」

倉林議員の質問(要旨)

参院本会議

 日本共産党の倉林明子議員が5日の参院本会議で行った障害者総合支援法改定案に対する質問(要旨)は次の通りです。


 本法案が「束ね法案」となったことに、多くの障害者団体から「私たちの声を封じることになりかねない」と抗議の声が上がっています。法案を出し直し、それぞれに十分な審議時間をとることを求めます。

 障害者権利条約の初の日本審査が行われ、「総括所見」では、わが国の障害福祉法制等について人権保障の立場から厳しい勧告がなされました。「総括所見」が特に焦点を当てたのが、国際的に大きく立ち遅れている精神科医療です。強制的扱いを正当化する法的規制、無期限入院の廃止、入院している全てのケースの見直しを日本政府に要請しました。これらの勧告は、先送りが許されない課題との認識はありますか。

 本法案は、強制入院である医療保護入院について、市町村長同意の範囲を拡大し、入院期限についても無期限に繰り返すことを容認しています。「家族の負担軽減」のためとも答えていますが、そもそも医療保護入院は家族同意を前提とし、家族間に不信と分断をもたらします。家族に同意を求める強制入院である医療保護入院は、廃止すべきです。

 身体拘束について、基準告示の見直しにより要件を拡大しようとしています。精神科病院での身体拘束は、2000年からの10年で2倍に増加しています。告示の見直しは、身体拘束のさらなる増加を招くのではありませんか。

 政府は強制医療、身体拘束の解消に踏み出すべきです。家族が第一義的に責任をおわされる仕組みを解消し、所得、住居の保障を含め、地域で自立し安心した生活を支援する体制をつくることこそ必要です。

 総括所見では、障害のある女性への複合差別について厳しく指摘し、「効果的かつ具体的な措置」を求めています。望まない異性介助、性暴力被害等、深刻な実態が告発されています。意に反した異性介助が繰り返されることは性虐待です。当事者への実態調査を実施すること。異性介助は原則禁止すること。人員不足の解消、女性ケア労働者が働き続けられる環境整備等、同性介助を保障し、女性たちの尊厳を守る早急な対策を求めます。

 障害者福祉法制の見直しに当たり、実現すべきは障害者権利条約、総括所見であり、障害者自立支援法違憲訴訟団との基本合意、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会骨格提言であると考えます。


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