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2022年12月6日(火)

衆院選(昨年)も議員に資金

自民京都府連の買収疑惑

 自民党京都府連(会長・西田昌司参院議員)が国政選挙前に候補者から集めた資金を地方議員らに配ったとされる問題で、昨年の衆院選前にも同様に分配していたことが政治資金収支報告書で分かりました。候補者側の資金を府連経由で選挙区内の議員らに渡す行為については、これまでに公職選挙法違反の「買収」の疑いがあるとして、自由法曹団京都支部の弁護士などが京都地検に刑事告発しています。(丹田智之)


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(写真)自民党京都府連の建物=2月24日、京都市中京区

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 自民党府連の収支報告書によると、衆院選(2021年10月31日投開票)前の同年8月19日から10月8日にかけ、京都1~6区の候補者が代表を務める自民党の各選挙区支部などから同府連に計2650万円が支払われていました。公示日が迫った10月上旬、府議や京都市議ら53人の後援会などに50万円ずつ分配したとみられる記録もありました。

 同府連を介した買収疑惑を報じた『文芸春秋』3月号によると、府連の元事務局長が後任に引き継ぐために作ったとされる文書で、選挙区内の府議らに資金を配る方法を次のように記していたとされます。

 「議員1人につき50万円です。候補者が京都府連に寄付し、それを原資として府連が各議員に交付する」

 「候補者がダイレクトに議員に交付すれば公職選挙法上は買収ということになりますので、京都府連から交付することとし、いわばマネーロンダリングをする」

 マネーロンダリングは、犯罪などで得た金銭を合法だと見せかけるために偽装する資金洗浄を意味しており、組織的な「選挙買収」が疑われています。

 本紙の取材に同府連は「党勢拡大のために使っていただく資金だ」と述べ、選挙買収の目的はないと主張しています。

寄付と分配 金額一致

 神戸学院大学の上脇博之教授(政治資金オンブズマン共同代表)は「衆院選前に候補者側から集めた金額と府議らに配った金額は一致しており、過去に作られた資金分配の仕組みは変わっていないとみられます。マネーロンダリングという言葉の通り、府連が“トンネル”になったのは明らかで、悪質な選挙買収が疑われる」と指摘。「刑事事件としての捜査と徹底的な真相解明が求められる」と強調しています。


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