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2022年12月3日(土)

茨城県議選告示 対決構図は鮮明

日本共産党VS「オール与党」勢力

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(写真)江尻かな候補=2日、水戸市

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(写真)山中たい子候補=2日、茨城県つくば市

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(写真)佐野太一候補=2日、茨城県取手市

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(写真)川崎あつ子候補=2日、茨城県東海村

 統一地方選の前哨戦として、各党が総力をあげる茨城県議選(11日投票、総定数62、立候補者数96人)が2日、告示されました。日本共産党から、江尻かな(水戸市・城里町区、定数6)、山中たい子(つくば市区、定数5)、佐野太一(取手市区、定数2)、川崎あつ子(東海村区、定数1)の4氏が立候補しました。知事提案に何でも賛成の「オール与党」勢力と、唯一、議会としてのチェック機能を果たす日本共産党の対決です。初日の論戦から見えたものは…。

子育て・医療・教育 充実

 暮らしや医療・教育の問題では、コロナ禍や物価高騰で県民生活が追い詰められる下で、「子育ての安心を広げたい」と共産党の4候補が力説。江尻候補は、県内で広がる学校給食の無償化を県の制度として位置づけて全県で実現させたいと訴え、子どもの国保税・医療費、2歳までの保育料無償化とあわせた「子育て3つのゼロ」をと訴えました。

 山中候補は、県が一昨年に県内の保健所を3カ所減らしたことに反対したのは共産党だけだったと批判し、「全国8位の財政力を医療と福祉の充実のために使うべきだ」と強調。「県立高校の新設は“オールつくば”の願いだ」として、「中学生の6人に1人しか市内の県立高校に進学できないのは沿線開発を進めた県の責任。新しい県立高校を作れの願いを私に託してほしい」と呼びかけました。

 他陣営の訴えはどうか―。水戸市・城里町区の公明現職は、県の保健所削減を認めたのにもかかわらず、「県民の命を守ることに重点を置いてきた」と無反省の姿勢。公明参院議員(選挙対策次長)は「世論調査では圏外となっている」として引き締めに躍起。つくば市区では、主要候補の中で県立高校の新設に触れたのは山中候補のみでした。

廃炉迫るぶれない姿勢

 「いばらき自民党と県民フォーラム、公明党ときちっと制定に反対し、条例案は廃案となった」―。一昨年、日本原子力発電東海第2原発(東海村)再稼働の賛否をめぐり、9万人超の署名とともに県議会に提出された「県民投票条例案」の直接請求。ある自民現職候補は、条例案の否決を“実績”として強調しました。「必要であれば原子力発電所をしっかり動かしていく。安全対策工事をしっかりやって避難計画もつくる。これができて初めて動かすことができる。それ以外の選択肢はない」。再稼働に向け、議論を主導してきた成果を強調しました。

 現在停止中の同原発。県議選の告示を受けNHKは、再稼働の是非が選挙戦の争点になると報道しました。今回改選される県議が、再稼働の是非をめぐる判断を求められる可能性があります。同原発から約960メートルの距離に住む川崎候補は「知事が決断すれば再稼働は止められる。力を合わせてストップさせ、再生可能エネルギーへの転換へ力を尽くしたい」と力説。江尻候補は、避難計画の不備を理由に運転差し止めを言い渡した昨年の水戸地裁判決に触れ、「再稼働反対の世論と地裁判決を反映させることが県議会の役割だ」と強調しました。自民党が再稼働への姿勢をむき出しにするもとで、ぶれずに廃炉を迫る共産党の役割が鮮明になっています。

国政を変えるうねりに

 自民党に対する激しい逆風を肌で感じている―。取手市区で自民現職の第一声で参加者は危機感をあらわにしました。同選挙区は「死刑のはんこ」発言で辞任した葉梨康弘前法相の地元。自民現職2人に共産党の佐野候補が党議席奪還に挑む構図です。別の陣営関係者からは「共産党も出ている。3人のうち少しでも手を抜いた方が負ける」の声も。共産党への敵意をあらわにしています。第一声に葉梨前法相が駆け付けたものの、紹介のみで来賓の訴えは行いませんでした。

 統一協会と政治の癒着、相次ぐ閣僚の辞任、物価高騰でまともな対策が打てない岸田自公政権に怒りの声が渦巻くもとで、県政・国政を変えるうねりが広がりつつあります。

 佐野候補は、政府が決断しない消費税減税や最低賃金の大幅増を力説。「命と暮らしを守り、ジェンダー平等を実現する政治を」と呼びかけました。

立候補状況

 日本共産党の立候補者は次の通り。カッコ内は選挙区と定数、立候補者数

【水戸市・城里町6、立候補10人】
江尻 かな49現

【つくば市5、立候補8人】
山中たい子71現

【取手市2、立候補3人】
佐野 太一54新

【東海村1、立候補2人】
川崎あつ子69新


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