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2022年11月30日(水)

きょうの潮流

 木、火、土、金、水―古来中国では五つの要素によって物事を解釈しようとしてきました。人の体や生活もそれから形成されるという五行の考え方は後の世に大きな影響を与えました▼七夕の五色の短冊にあるように五行にはそれぞれ色が当てはめられています。木は青(緑)、火は赤、土は黄、金は白、水は黒(紫)。そのうち白には相反する二つの意味があるといいます▼高潔や純潔、公明などの一方で、低俗や反動、凶を表し、葬式を白事と呼ぶことも。中国では「矛盾的な文化象徴の意味を持つ色である」という専門家もいます▼いま掲げられる白い紙は何を象徴しているのだろうか。中国政府の徹底した「ゼロコロナ」政策に反対する怒りの声がひろがりつづけています。各地で白い紙を手に立ち上がる市民。それは厳しい言論統制への抗議なのか、強権の中国共産党を表す赤色に対するものなのか▼本紙特派員は「紙には何も書かれていないが、言葉は心の中にある」という女性の叫びを。矛先は自由や民主、人権さえ軽視する現体制に向かいつつあります。「白色革命」とも呼ばれる政権批判は天安門事件以来だとして当局の弾圧を危ぐする指摘も表れました▼中国における色とは多分に象徴的な意味合いを含んできました。そこには苛政に対する民衆の抵抗の歴史も色づいています。古代の人々は突然現れる白獣を吉祥とみなしました。予断を許さない状況ですが、勇気をふりしぼった白い抗議が明るい未来につながることを願って。


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