2022年11月25日(金)
カタール発ゴール
みんなの力で証明できた
サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で23日、日本は1次リーグE組の初戦でドイツに2―1の逆転勝利を収めました。
終了のホイッスルと同時にベンチの選手が駆け出し、ピッチで歓喜の固まりができた。日本はドイツという大きな壁を乗り越え、勝利を手にした。
前半はドイツにボールを回される。プレスもかからず、PKの失点も喫した。ほとんどなすすべがなかった。しかし後半は、打って変わった展開になる。
一つは監督の積極采配だ。後半にシステムを4バックから3バックへ。両サイドにウイングバックを置いた。「前半、ドイツに幅をもって揺さぶられていた。そこをケアしようとした」と森保監督。
同時に前線からの守備も整理して機能しだした。「相手があたふたしていた。日本が戦術を変えたのがすべて」。DF長友は話した。
森保監督は12分には三笘、浅野、その後に堂安、南野と攻撃的な選手を次々と投入。最後はこれまでにない攻勢的な布陣になっていた。その勇気あふれるベンチワークが、逆転の背景にある。
もう一つは、交代した選手たちのエネルギーだ。GKの権田はいう。「控えの選手たちはみな先発で出たいとの気持ちをもっている。それを出たときに発揮してくれた」。先発を外れてもだれ一人として腐ることなく、チームのことを考えられる。得点にかかわったのはそうした途中出場の選手たちだった。
「日本では、みんなでたたかうということができる。一人ひとりの力は大きくないかもしれないが、みんなが一つのことを一生懸命にやれる。それを証明できた」(権田)。みんなの力で―。日本代表はさらに進み続ける。(和泉民郎)