2022年11月23日(水)
北朝鮮に批判次々
ミサイル発射 安保理が緊急会合
結束を求める声 中ロからは異議
【ワシントン=島田峰隆】国連安全保障理事会は21日、北朝鮮による大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を巡り緊急の公開会合を開きました。多くの国が北朝鮮のミサイル発射について、累次の安保理決議に違反すると批判しました。北朝鮮についての安保理会合は今年10回目です。
安保理に報告したディカーロ国連事務次長(政治局長)は、「北朝鮮が引き続き核兵器計画を追求し、弾道ミサイルを発射していることは関連する安保理決議の明確な違反であり、緊張の重大な激化をもたらしている」と指摘。北朝鮮に対して挑発行為をやめて、安保理決議の義務に従うよう求めました。
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は「安保理決議に違反する北朝鮮の行為は地域の安全に対する無視と安保理への敬意の欠如を示している」と批判。北朝鮮の責任を追及するため、安保理議長声明案を提案する意向を表明しました。
フランスのドリビエール国連大使は、安保理が行動できていないことが北朝鮮による挑発を許しているとして「国際社会が結束し、責任ある断固とした対応を示すことが必要だ」と述べました。
このほか「ミサイル発射は国連安保理とその決議、多国間システムへの目に余る挑戦だ」(メキシコ)、「これ以上の発射を直ちに中止し、緊張緩和に取り組むことを求める。安保理は結束して対応しなければならない」(ノルウェー)などの発言が相次ぎました。
一方、中国の張軍・国連大使は「安保理は北朝鮮を非難したり、圧力をかけたりすべきではない」と発言。ロシアのエフスティグニエワ国連次席大使は「北朝鮮の行為は米国の近視眼的で対立的な軍事行動の結果だ」と述べました。
日米英仏など14カ国は会合後、「安保理が統一した声で北朝鮮の行動を非難する必要性を支持する」との共同声明を発表しました。