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2022年11月22日(火)

W杯カタール大会 開会式に思う

「距離縮める」テーマは人権

 「距離を縮めよう」。W杯カタール大会の開会式では、豪華な演出とともに、互いの違いを乗り越え、学びあう姿勢を世界にアピールしました。

 カタール首長は「互いを分断する気概を脇に置き、多様性や皆を束ねる要素をたたえることは素晴らしい」とも宣言しました。しかし、人権問題への言及はありませんでした。

 カタールでは外国人労働者にたいする過酷な労働や性的少数者(LGBTQ)、女性にたいする制約など、多くの課題を抱えています。

 選手やチームがこれらの問題で批判の声を上げているのは、スポーツの本質を示しています。人権なきところにスポーツは成り立たないからです。

 国際大会を開催する国にとっても、スポーツ団体にとっても、この課題が避けて通れないのは、今年2月の北京冬季五輪でも示されました。その最大限の改善の努力は、最低限の責務です。

 国際サッカー連盟は、カタール大会の招致決定を契機に、組織的にも人権規定を順守することに取り組んでいます。この大会はその真価が問われるものです。

 開会式でもさまざまな国の人々がスタンドを埋めました。W杯を訪れる世界の人たちとカタールの人々が交流を深める1カ月。互いに違いを認めつつ「距離を縮め」学び合う。その一番のテーマが、ここにあることは言うまでもありません。

 (ドーハで和泉民郎)


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