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2022年11月21日(月)

主張

寺田総務相の更迭

もはや政権の機能失っている

 「政治とカネ」疑惑を追及されていた寺田稔総務相が辞任しました。岸田文雄内閣では、山際大志郎前経済再生担当相が統一協会との密接な関係で10月末に辞任し、葉梨康弘前法相が死刑問題をめぐる暴言で11日に事実上更迭されたばかりです。8月の内閣改造で岸田首相が重要視していたポストに就任した閣僚が自身の疑惑や言動で立て続けに職を辞す状況は、もはや政権としての機能を失っています。問題発覚後も続投を認めてきた首相の対応も厳しく批判されています。国民の不信を招いた政権を退陣に追い込む世論と運動を大きく広げる時です。

遅すぎる首相判断に批判

 寺田氏が代表の政治団体などが事務所を置く建物の一部を所有する妻に総額2000万円を超す賃料を支出していた問題などは、10月初めに『週刊文春』が報じました。地元後援会の政治資金収支報告書に、会計責任者に故人の名前が記載されて提出されていたことも分かりました。政治資金収支報告書に添付された領収書についても偽造が指摘された他、昨年の総選挙では運動員買収などの公職選挙法違反の疑いも浮上しました。

 国会での野党の追及に寺田氏は、一部については不適切と認め、政治資金収支報告書の訂正などを行いましたが、違法性はないと開き直る答弁を繰り返しました。選挙や政治資金を所管する総務相として適格性を欠いていることが浮き彫りになる一方でした。

 寺田氏は18日の記者会見で「職責を果たす」「地元の方々からは『説明に感心した』と言う声しか聴いていない」とあくまで辞任を拒みました。しかし19、20日行われた「毎日」世論調査では「寺田氏辞任を」が70%に達するなど国民の不信は高まり続け、与党内でも辞任論が出される中で、首相は事実上更迭せざるを得なくなりました。あまりに遅すぎる辞任ですが、寺田氏は自らの「政治とカネ」疑惑を全て国民の前に明らかにしなければなりません。

 寺田氏は、首相と同じ自民党派閥「宏池会」に属し、同派閥をつくった池田勇人元首相は義理の祖父に当たります。内閣改造で初入閣するまでは岸田氏の首相補佐官を務めてきました。疑惑が報じられてから1カ月以上も寺田氏をかばい、続投させた首相の姿勢には自民党内からも疑問の声が相次いでいました。

 死刑についての暴言で批判を集めた葉梨前法相を辞めさせる首相の判断も遅く、国民の怒りを増幅させました。山際氏は閣僚辞任後に自民党のコロナ対策の本部長に就きました。首相にも自民党にも根本的な反省がありません。

岸田内閣は直ちに退陣を

 寺田氏以外にも秋葉賢也復興相が政治資金をめぐる問題で引き続き閣僚の資格を問われています。

 統一協会と自民党との癒着について岸田首相は、最も関係が深い安倍晋三元首相や細田博之衆院議長らの調査を放棄していることをはじめ徹底的な調査に背を向けています。これでは国民の信頼を得ることはできません。

 岸田政権が急激な物価高騰に手を打てず国民に生活苦を強いていることも重大です。暮らしを押しつぶす大軍拡と改憲を推進していることは民意に逆らう暴走です。岸田政権の打倒へ国民的なたたかいを強めましょう。


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