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2022年11月19日(土)

COP27inエジプト

損失・被害基金 争点残る

会議最終日 1.5度目標 改めて盛る

 エジプトで開催中の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)は18日、最終日を迎えました。前日に公表された成果文書草案のたたき台は、気温上昇を産業革命前と比べて1・5度に抑える努力目標を改めて盛り込む一方、損失と被害などをめぐる争点が残っています。会期延長の可能性もあります。(シャルムエルシェイク=秋山豊)


 17日、グテレス国連事務総長は、世界の温室効果ガスの排出は史上最高レベルだと警告しました。

 議長国エジプトが公表したたたき台は、昨年のCOP26でも合意した1・5度の努力目標について「あらゆるレベルであらゆる強化をする重要性を強調する」と明記。各国の2030年までの削減目標の強化も要求しています。

 激しい議論が起きているのは、気候変動による損失と被害に特化した基金設置をめぐってです。発展途上国は設置を強く求めていますが、先進国は反対しています。

 グテレス氏は「損失と被害の資金について話す時間は終わりだ。行動が必要だ」と呼びかけました。

 カリブ海のアンティグア・バーブーダのジョセフ保健・健康・環境相は「基金を設置せずにCOP27から去るようなことをさせないでほしい」と訴えました。米国のケリー気候変動担当大統領特使は「米国は賠償や責任につながる法的構造をつくらない」と述べています。

 マダガスカル政府代表のひとりは「欧米は大量の温室効果ガスを排出してきた。巨額の支払い義務が連鎖的に生じることを恐れている」と語ります。

 他方、成果文書に「全ての化石燃料の段階的廃止」を書くかどうかも議論になっています。たたき台はこの点に言及していません。オセアニアのフィジーが賛成していますが、産油国は反対していると言われています。


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