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2022年11月19日(土)

きょうの潮流

 ビルの一室に置かれた電話が次々と鳴りはじめました。自分の性格や生き方、夫婦や性の問題、働き方のことまで。27年前、日本で初めての男性相談「『男』悩みのホットライン」が大阪で開設されました▼当時はまだ男性を対象とした相談窓口は皆無。弱音を吐けないという男性像が、つらいはずなのに相談しにくい状況をつくってきました。しかし相談は増え続け、窓口を設ける自治体もひろがっています▼男性の悩みには共通する背景がありました。「かくあるべし」の縛り。男性にありがちな優越や所有、権力志向が自身も他者も無意識に縛ってしまい、その理想と現実との隔たりが苦しみとなって表れているというのです(『男性は何をどう悩むのか』)▼きょうは国際男性デー。男性の健康に目をむけ、ジェンダー平等を促す日として、1999年にカリブ海の島国トリニダード・トバゴで始まったとされています。女性の生きづらさを改善し、性の平等を推進することも目的に掲げます▼社会学者の田中俊之さんは、男性が当事者としてジェンダー平等に主体的にとりくむことを促しています。そして「女性に対する差別構造や不利益を解消し、フェアな環境をつくることが、結局お互いの生きづらさをなくしていくことにつながる」と▼当たり前のように思ってきた価値観からの転換。どんな会社や組織、個人であれ、そこには日々の気づきや自己改革が求められるでしょう。誰もが自分らしく生きられる社会をつくっていくために。


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