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2022年11月18日(金)

きょうの潮流

 現世人類ホモ・サピエンスが現れたのは20万~30万年前のアフリカだったとみられています。私たちの祖先にとって、大きな湖と緑豊かな自然がゆりかごのような存在になっていたとの説も▼地球の歴史からいえば人類の誕生はつい最近です。わずか1万年前、地球には100万人しかいませんでした。それが、1800年に10億人となり、およそ半世紀前の1960年には30億人。87年には50億人に達し、そして、今月15日に80億人をこえました▼国連のまとめでは世界の人口は2058年には100億人に到達する見込みです。それに伴い人間が生きるために必要な水や食料、土地、エネルギーの消費も増え続けます▼気候危機、土地や水をめぐる争い、飢餓や貧困、女性の権利侵害と、さまざまなひずみを生む人口急増。80億人に達したことを国連は「地球を守る共通の責任を果たすための警鐘」と位置づけ、持てる者と持たざる者との隔たりを埋めないかぎり、世界は緊張と不信、危機と対立であふれることになると警告します▼生命を育んできた環境や資源。そうした共有財産を勝手に食いつぶして共倒れしてしまうことをコモンズの悲劇といいます。『世界がもし100億人になったなら』の著者で科学者のスティーブン・エモット氏はそれを引きながら、われわれの行動を根本から変えることが唯一の解決策だと呼びかけます▼いま目の前に迫る人類存亡の危機にどう立ち向かうか。ホモ・サピエンス―それは「賢い人」を意味します。


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