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2022年11月11日(金)

5州で中絶擁護派全勝

米住民投票で承認

最賃引き上げ 労働者保護も

 【ワシントン=石黒みずほ】中間選挙が実施された8日、全米各地では、州知事や議員の選出とともに住民投票が行われました。人工妊娠中絶の権利をめぐる投票が行われた5州全てで中絶擁護派が勝利し、最低賃金の引き上げや労働者の権利保護、公的医療保険制度の拡充などが各地で承認されました。


 カリフォルニア、バーモント、ミシガン各州では中絶の権利を州憲法で保護すべきか否かが問われました。バーモント州では有権者の77%が賛成しました。

 ケンタッキー州では中絶の権利を認めないよう州法を改定するか否かが問われ、共和党が強い同州の有権者の52%が反対票を投じました。モンタナ州でも中絶を認めないという趣旨の法律への賛否が問われ、53%が反対しました。

 ケンタッキー州で中絶擁護の運動を率いてきたレイチェル・スウィートさんは「多くの団体が一つの目的に向かって団結すれば、政府による自己決定への介入やその威嚇に勝つことができると示した」と語りました。

 インフレが中間選挙の最大争点となる中、2州・2地域は最低賃金の引き上げを決めました。ネブラスカ州では時給9ドルから2026年までに15ドル、ネバダ州では時給9・50ドルから24年までに12ドル、ワシントン州タックウィラでは来年までに時給19ドルへの引き上げを承認。首都ワシントンでは、飲食店などで働くチップ制労働者の最賃5・05ドルを27年までに時給16・10ドルの一般労働者と同水準に引き上げるかが問われ、74%が賛成しました。

 労働者によるストや労組結成が全米で高まる中、イリノイ州では労働者の団体交渉権保護に向けた州憲法の改正が承認されました。従業員に対し会費納入を選択にすることで労組の活動を弱体化させていた法律を禁止するもので、住民投票による決定は初めてです。

 サウスダコタ州では、所得制限の引き上げによるメディケイド(低所得者・障害者向け公的医療保険制度)の対象拡充が承認されました。4万2千人以上が医療にアクセスできるようになります。

 マサチューセッツ州では、年収100万ドル(約1億4500万円)以上の富裕層に4%課税し、その税収を教育や交通にまわすことを決定しました。


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