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2022年11月9日(水)

COP27inエジプト

大洪水で国土1/3水没のパキスタン

首相「数百万人 生活の糧得られず」

国連総長共同会見 債務の救済策訴え

 今夏の大洪水により国土の3分の1が水没したパキスタンのシャリフ首相と、国連のグテレス事務総長は7日、国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)会場で共同記者会見を開きました。グテレス氏は、債務増加に苦しむパキスタンの救済を訴えました。(シャルムエルシェイク〈エジプト・シナイ半島〉=小林圭子 写真も)


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(写真)演説するシャリフ首相

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(写真)演説するグテレス国連事務総長

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(写真)ペルベズ・アリさん(右)

 シャリフ氏は、いまだ深刻な被害が残る国内で「数百万人が避難する場所や生活の糧を得られずに冬を迎えようとしている」と訴えました。

 洪水による被害の総額は、300億ドル以上と推定されます。公的債務の増加や国際的なエネルギー価格の高騰などにより「復興への道のりが阻まれている」と、危機感をあらわにしました。

 グテレス氏は「このCOPで、資金調達の制度的枠組みをつくり、損失と被害に対処するための明確なロードマップ(実施計画)を定める必要がある」と強調。国際金融機関とG20諸国に対し、パキスタンの洪水被害からの復興を促進するため、債務の救済策を講じるよう提案しました。

 会見に参加した「フライデーズ・フォー・フューチャー(FFF)パキスタン」のペルベズ・アリさん(19)は「パキスタンを訪れ、犠牲者や被害を目の当たりにした国連事務総長の言葉は、前向きなもので心に響いた。実施に向け、各国に圧力をかけてくれることを期待する」と語りました。

不公平は正す必要が

気候変動省幹部 シャーさん

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(写真)アーシフ・ハイデル・シャー氏

 COP27の会場で、パキスタン気候変動省幹部のアーシフ・ハイデル・シャー氏に話を聞きました。

 パキスタンは温室効果ガスの排出量が1%未満であるにもかかわらず、気候変動にぜい弱な国のトップ10に入っています。経済は農業に大きく依存しており、気候変動の影響を大きく受けています。COP27では、資金調達をより透明で、より早く受け取れる方法を要求します。

 気候変動に対する不公平を正す必要があります。排出量の多い国が責任を持ち、すべての国のより良い未来のために、これまでのやり方を変えなければなりません。


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