2022年11月9日(水)
きょうの潮流
外国人観光客が増えてきました。先月から水際対策が大幅に緩和され、個人旅行も解禁。急激な円安も相まって大勢の訪日が見込まれています▼政府は需要喚起をあてにしますが、ただお金を落としてくれる人たちとしか見てはいないか。日本食や文化が好きで何度も来日している香港の知人が、最近嫌な思いにさせられることが多くなったと話していました▼そもそも外国人を受け入れる資格があるのか。先日、国連の人権に関する委員会が日本政府に勧告しました。国際的な基準にそった独立した人権救済の機関を早く設けよと。担当者は「外国人が不当な扱いを受けないよう、あらゆる適切な措置をとるべきだ」と訴えました▼とくに懸念を示したのは入管施設の収容者へのひどい扱い。体調不良を訴えながら放置されて死に至った事案が相次ぎ、職員による暴力行為も後を絶ちません。2007年以降、収容中に亡くなった外国人は17人にも上ります。一時的な措置であるはずの収容を無期限にしていることも非難されています▼人権意識の著しい欠如。国連の委員会はまた、沖縄の人びとを先住民族と位置づけて権利を保障するよう求めています。抗議やデモへの過剰な制約、沖縄で抗議行動をする人たちの不当逮捕があるとして▼在日外国人に対するヘイトスピーチも同様ですが、根っこにあるのは個人の尊厳を傷つけること。国連の勧告にも政府は後ろ向きですが、一人ひとりの人権を守ってこそ共生社会をつくる一歩になるはずです。








