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2022年11月8日(火)

きょうの潮流

 われら戦後世代には永久に奪われてはならない価値と思えたものがある。それは平和と平等。「戦後政治」を主導してきた価値だが、それが危うくなっている―▼敗戦の年に生まれ、政治記者として戦後を歩んだ早野透さんが亡くなりました。田中角栄をはじめ歴代自民党の政権中枢に食い込んできたジャーナリストは、平和と平等の夢を抱きながら日本の政治を見つめてきました▼朝日新聞を退社してから、早野さんは本紙にたびたび登場。志位委員長との新春対談やインタビューでは政治の問題点をほりさげ、語り合いました。それは自身が持ち続けた人間世界の価値と響き合うものがあったからでしょう▼戦争のにおいにはとくに敏感でした。険悪さを増す北朝鮮や中国との接し方についても、政治や外交の場では相手への正当な批判、追及と感情のおもむくままのバッシングを分け、自らの中で線を引く自制心と反省力をもたなければなるまいと▼戦争できる国づくりに突き進んだ安倍政治からつながる岸田政権は、いま大軍拡と先に攻め込む国へと、さらに変ぼうさせようとしています。支持率が下がり続ける根っこにあるのは、なによりも大切なのは国ではなく、人のいのちだということがわかっていないから▼市民と野党の共闘で政治を転換することに期待を込めていた早野さん。共産党の果たす役割を評価しつつ、こんな言葉もかけてくれました。「共産党は現実政党であるけれども、ぼくらの世代にとってはロマンの政党でもある」


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