2022年11月7日(月)
2022年米中間選挙
ウィスコンシン州上院選 “未来開くのは99%の力”
進歩派 トランプ派候補に挑む
8日に行われる米中間選挙のウィスコンシン州上院選では、トランプ前大統領の言動を擁護してきた共和党現職のロン・ジョンソン上院議員(67)に民主党進歩派のマンデラ・バーンズ州副知事(35)が挑んでいます。世論調査でジョンソン氏がリードするなか最終盤、民主党のサンダース上院議員が駆けつけてバーンズ氏への支持を訴えました。(マディソン=島田峰隆 写真も)
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4日夜、州都マディソン市内でサンダース氏を迎えて開かれた集会には若者たちが大勢集まりました。
「今の経済はトップ1%の富裕層が潤うようゆがめられている」と切り出したサンダース氏。国民皆保険や学生ローン帳消し、中絶の権利擁護、気候危機対策、富裕層や大企業による巨額献金の禁止などに触れ、「これを実現できるのがバーンズ氏だ。99%の国民の力は未来を切り開くのに十分だ」と強調しました。
市内在住の会社員ジョイ・マクノートさん(27)は「バーンズ氏とジョンソン氏の話をどちらも聞きましたが、“すべての人のためになる経済”を約束するバーンズ氏に共感します。大企業が裕福になる一方で、若者は物価高で苦しむ状態はおかしい」と語ります。
バーンズ氏はサンダース氏を支援する運動団体「私たちの革命」や平和団体「ピースアクション」の支持を受けています。「ワシントンの政治に新しい視点を据え、巨大企業やロビー団体に立ち向かい、中間層を最優先する」と強調します。
主な公約は▽酪農がさかんなウィスコンシン州で巨大農業関連企業から小規模農家を保護▽最低賃金の引き上げ▽製造業を衰退させた北米自由貿易協定(NAFTA)などの再交渉▽再生可能エネルギーの活用で雇用増―などです。
一方、ジョンソン氏は5日、東部ミルウォーキーの郊外で集会を開催。「民主党はインフレに無策」「バーンズ氏は過激で危険だ」と主張しました。また、民主党の犯罪対策は弱すぎるとし、治安に懸念を持つ無党派層の取り込みを狙っています。
ジョンソン氏はトランプ氏への弾劾を批判し、2020年大統領選で不正があったとする同氏の主張を支持しました。「成長を促進する税制改革と規制緩和」を求め、富裕層や大企業向けのトランプ減税の延長を訴えています。
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ウィスコンシン州 面積約17万平方キロ、人口約590万人。1988年以降の大統領選では民主党が勝利してきましたが、2016年の大統領選で共和党のトランプ氏が勝利。20年の大統領選では民主党のバイデン現大統領が勝利しました。











