2022年11月4日(金)
きょうの潮流
昔から金の切れ目が縁の切れ目といわれてきましたが、両者の縁はそう簡単には切れないらしい。互いに権力のうまみを味わってきた縁ですから▼事実上の大臣更迭からわずか4日後。山際大志郎氏が自民党のコロナ対策本部長に就任していたことがわかりました。統一協会との深い関係を再三指摘されながら、記憶にない、記録がないとくり返し、辞任に追い込まれた人物。それをすぐに要職に就けるとは▼これには、国民をバカにしているという怒りとともに、次の波に入りつつあるコロナ対策に不安を訴える声も。1年ごとに書類と記憶を消してしまう人に、いのちとくらしがかかった役職が務まるのか▼切っても切れない協会と自民党。常軌を逸した岸田首相の人事は、それだけではありません。協会の関係者らがつくった後援会を追及されるまで維持していた井野俊郎防衛副大臣。「よく読まず、中身を深く考えず」協会の推薦確認書にサインしていた山田賢司外務副大臣も居座っています▼たとえ支持率が下がろうが政権を失うことはないとのおごりか。あるいは権力にしがみつく執念か。あの杉田水脈氏を政務官に抜てきしたことも岸田首相への批判をひろげています。カルトにヘイトかと▼ひとつひとつが絡み合い、どこまでもつながっていく鎖。それが語源だという腐れ縁は、離れようとしても離れられない関係を意味します。断ち切れない統一協会と自民党の腐れ縁は社会を不幸にするだけです。政治が縁をむすぶ先は国民です。








