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2022年11月2日(水)

意地通し合う大激戦

将棋新人王戦 服部が振り切る

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(写真)対局後、検討する服部五段(左)と黒田五段。右端は立ち会いの森信雄七段=1日、大阪・福島区の関西将棋会館(峯松進撮影)

 3期ぶりにフルセットとなった将棋の第53期新人王戦(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負は1日、最後までどちらが勝つか分からない大激戦・大熱戦の末、服部慎一郎五段(23)が最終第3局を制し、幕を閉じました。

 王将リーグ入りするなど絶好調の服部五段の有利と目される中、第1局は黒田尭之五段(26)が勝利して一日の長を示すと、カド番の服部五段が第2局を踏ん張り、タイに戻し本局を迎えました。

 改めての振り駒の結果、黒田五段が先手となり、戦型は角交換型の先手振り飛車に。持久戦を志向する後手に対し、先手は積極的に動きます。☗6六銀~☗7五歩~☗5六角と一直線な攻めを見せると、立ち会いの森信雄七段(第11期新人王)は「先手は局地戦を目指し、後手は全局的なバランス重視」と指摘します。

 後手が40手目☖3三角と反撃に出ると、先手も26分の長考で☗7二歩と垂らして、攻め合いに。しばらく押し引きが続きます。

 88手目☖8七歩成から互いに「我が道を行く」ような攻め合いに。どちらの攻めが速いか―。

 黒田五段は107手目☗4一飛成と飛車を切って猛攻をかけます。互いに自身の玉の詰み筋を気にしつつ、攻めを繰り出し、大熱戦に。最後は、粘る黒田五段を振り切って、服部五段が先手玉を即詰みに仕留めました。

 森七段は「意地を通しあう激戦で、最後に服部五段が抜け出しましたが、一手一手コクのある面白い将棋でした」と総評しました。

 黒田五段は「(ファンに)見てもらって面白い将棋は指せたのではないか。結果が伴うように頑張りたい」と語り、服部五段は「新人王戦は取りたい棋戦だったのでうれしい」とのべ、次の目標について「王将リーグの残り3局を、全力で頑張りたい」と語りました。

棋譜


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