しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年11月2日(水)

「親の虐待 支援必要」

「チキラボ」宗教2世を調査

 社会調査支援機構「チキラボ」は1日、都内で会見を開き、宗教を背景に行われる虐待など、信者の親を持つ宗教2世らを対象にした実態調査の結果を発表しました。調査は9月9日から19日の間にネットで行われ、有効回答は1131件。回答の上位3位を占めた創価学会、エホバの証人、統一協会(世界平和統一家庭連合)を分析しました。

 調査結果によると、回答者の多くが宗教をめぐる社会的な改善を求めています。要望の内訳は、「子どもでも親や教団から安全に離れられる制度の整備」が73%、「社会問題を起こした宗教団体への解散命令や法人格の取り消し」は71・9%、「カルト団体の定義と規制法」は67・3%でした。

 回答者の約9割が12歳以下で信者となっています。脱会した人のうち約6割が家族関係の悪化、4割以上が社会生活の適応面で困難を感じた経験がありました。

 統一協会の回答者のうち約7割が献金を協会から要求されたと答えました。エホバの証人では8割以上が家族からの体罰を経験。教団からの政治活動への要求は創価学会が多く、選挙集会への動員が61・3%、知人への投票呼びかけは74・3%に上りました。

 自由回答欄には、「ベルトでムチ打ちされた」、「地獄に落ちるなどの脅しを受けた」といった声が寄せられていました。また「女は男に従う」「同性愛は罪」など性に関する規範の強要や性的マイノリティーに対する否定的な教えがあったことも報告されています。

 チキラボの荻上チキ代表理事は、多くの当事者が声を上げていることについて「特殊なケースでも個別家庭の問題でもなく、多くの2世が共有されているもの」だと指摘。虐待への介入や子どもシェルターの確保といった支援が必要だと訴え、実態を把握し国会で議論してほしいと述べました。


pageup