2022年11月2日(水)
きょうの潮流
防ぐことはできた。次々とあがる怒りの声。犠牲者の多くが若者と女性だったことも無念さをいっそう募らせています▼ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)で日本人2人をふくむ156人が亡くなった惨事。複数の韓国メディアは事故が起きる可能性を地元の警察署が事前に指摘しながら、当日の警備計画に反映されなかったと報じています▼大勢がくり出すことをわかっていながら安全管理の対策をとらず、今回のようなイベントの密集に備えたマニュアルも作成されていなかったことも判明しています。こうした群衆雪崩とよばれるリスクは突発的に発生することもあり、ひとごとではありません▼映像からも伝わるようにあの狭い通りがすし詰め。四方八方から圧力がかかり、にっちもさっちもいかない状態に。息ができず、立ったまま押しつぶされて圧死した犠牲者もいるといいます。2001年の明石の花火大会のように、日本でも過去に同様の事故は起きています▼韓国の事態と時を同じくしてインドではつり橋が崩落し、少なくとも140人以上が死亡する惨状に。およそ140年前にかけられた橋は改修工事を経て通行が再開されたばかり。事故をめぐって保守会社の従業員らが逮捕されています▼くり返されるたびに突きつけられています。人災ともいえる事故がなぜ起きるのか、安全・安心な社会をどうつくるのか―。事故の原因はそれぞれですが、ゆきつく先は同じでしょう。一人ひとりのいのちと人権が尊重される社会をつくってこそ。








