2022年11月1日(火)
生活保護再開を決定
津地裁 “生命の危険に直面”
三重県鈴鹿市で生活保護を利用して暮らす親子が、車の運転記録を提出しなかったことを理由に保護停止した同市に執行停止を求める申し立てをしていたことに対し、津地裁は31日までに、停止処分を止める決定をしました。
親子には障害があり、定期的な通院が必要です。これまで足りない分を生活保護で賄い、医療扶助などが出ていました。
決定は20日付。自立できる収入が十分期待できない一方で、生活保護が停止されれば、持病に関する医療費等の支出も難しくなると指摘。衣食住の問題が生じるだけでなく「生命身体に対する危険にも直ちに直面する」「健康で文化的な最低限度の生活を直ちに維持できなくなることは明らか」と述べています。
親子は、同市による保護停止後、医療費を2万円以上自己負担していたといいます。母親(80)は「ほっとした」と話しました。同市保護課の担当者は「(決定に従い)再開する」と答えました。
親子はこの問題をめぐり、今年10月に同市を相手に提訴。車がなければ日常生活での移動ができないとし、移動の自由を侵害するなどと主張しています。
親子は2019年に生活保護の利用を開始し、21年に通院に限り車の使用が認められました。使用日時や走行距離を記入する「運転記録」の提出を条件としていました。しかし、精神的に大きな負担となるとして、提出しませんでした。
今回の決定は、一審判決まで保護停止処分を止めるとしています。








