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2022年11月1日(火)

きょうの潮流

 「トマホーク」。その名は、アメリカ先住民が使用していた手斧(ておの)に由来しています。軽量で使いやすく、今もキャンプや、手投げ用の武器としても使用されています▼多くの人は、米軍が使用している巡航ミサイルの名称として記憶に刻んでいるのではないでしょうか。もともと、米軍は核兵器の運搬手段として開発。1980年代には、日本に寄港する米艦船の多くに「核トマホーク」が搭載。「核持ち込み」の象徴でした▼米ソ冷戦時代は使われませんでしたが、米軍は91年の湾岸戦争で大量に使用。その“成功体験”に基づき、2003年3月20日未明、米イージス艦や原潜から発射されたトマホークがイラクのフセイン政権中枢部を攻撃し、無法な先制攻撃戦争の幕開けとなりました▼米軍はイラクやアフガニスタン、シリアで繰り返し使用。その数2300発におよびます。目標を正確に捕捉できるといいますが、イラク戦争ではトマホークがイラン領内に着弾するなど誤爆も相次いでいます▼よりによって、日本政府が「反撃能力」=違憲の敵基地攻撃能力の切り札としてトマホークの購入を検討しているといいます。もともと自民党の国防議連が保有の検討を提言。すでに同党内では歓迎論も出ています▼トマホークは、「敵基地攻撃」を超えた無法な先制攻撃の象徴です。憲法9条を持つ日本が保有すれば、その衝撃は計り知れず、東アジアに新たな軍拡競争を引き起こすことは必至です。タガが外れた軍拡論にはあきれはてます。


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