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2022年10月31日(月)

誰もが使える生活保護に

利用者・支援者ら交流会

 「みんなが使える生活保護をめざして」―。全国生活保護裁判連絡会第28回交流会が30日、千葉市内で開かれました。オンラインでつなぎ全国の保護利用者や支援者、弁護士らが生活保護をめぐるさまざまな裁判や取り組みを学び合いました。


写真

(写真)全国生活保護裁判連絡会第28回交流会であいさつする尾藤廣喜弁護士=30日、千葉市内

 沖縄からオンラインで、保護利用者への通院時の交通費不支給に対して審査請求で処分取り消しの裁決を勝ち取ったとの報告がありました。支給されるにあたっては、通院前に交通費の申請を福祉事務所にすることが重要だと強調しました。

外国人にも

 千葉県内の生活保護をめぐる交流では、在留資格はあるものの就労を認められない外国人に生活保護を適用するよう求める裁判の紹介がありました。及川智志弁護士は外国人労働者数が増加するいま、「外国人を労働力としか考えず、働けなくなった外国人には生きる権利を認めない。そんな非道は許されない」と訴えました。

 千葉県山武郡生健会の忰山(かせやま)兼重さんは、保護利用者が車を持ち、使うことが制限される問題をめぐる同会の取り組みを語りました。

 生活保護基準引き下げは違憲だなどとして全国の保護利用者らがたたかう「いのちのとりで裁判」。大阪、熊本、東京、横浜の4地裁で原告の勝訴判決が出ています。

 同連絡会の代表委員の一人、尾藤廣喜弁護士は閉会あいさつで同裁判の動きに触れ、「制度の根幹にかかわる問題で国が4件も敗訴している。前例のないことだ」と指摘。他の裁判事例からも厚生労働省が生活保護の無差別平等の原則を理解していないことは明らかだと批判しました。

利用広げる

 そのうえで、コロナ禍の下でも保護利用者数が増えていないことからも同省が広報などを怠っているとし、制度の徹底利用について運動にしていこうと呼びかけました。

 勝訴判決が出た東京の「いのちのとりで裁判」で証言した、東京都立大学の木村草太教授(憲法学)が「憲法と生活保護 基準決定過程における憲法の理念、25条の現代的意義」と題し記念講演しました。


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