2022年10月31日(月)
きょうの潮流
「同じ大学に通えていることに誇りを感じました」。戦前の日本共産党員、伊藤千代子の生涯を描いた「わが青春つきるとも」の上映会が彼女の母校である東京女子大で開かれました▼自分の信念を最後まで貫く姿がとても印象に残った、彼女らの行動があったからこそ私たちの今がある。学生たちの感想です。100年前、不平等な社会の変革に命をかけた千代子の生き方は、現在を生きる若者の胸を打っています▼公開から半年。関係者の努力で全国にひろがった上映運動は350会場・6万人が参加。年末までさらに90会場が予定され、オリジナルサウンドトラックCDの発売も。金沢では上映会の模様をNHKがとりあげました▼時代をこえて人びとの心をとらえるのはなぜか。社会や政治をよくしたいという千代子のいちずな思いとともに、差別されてきた女性の立ち上がる姿が現代にも重なり共感を呼んでいるのでは。原作者の藤田廣登(ひろと)さんはいいます▼党創立100周年記念講演について本紙で語り合った若い共産党員たち。戦前から党が先駆的に女性解放を唱え、女性党員が不屈にたたかってきた歴史にふれ、「新たに党員となる女性である自分としては、彼女らの存在を心にとめて恥ずかしくないあり方をしたい」と決意する後輩も▼歴史学者の纐纈(こうけつ)厚・山口大名誉教授は千代子の映画にこんなメッセージを寄せています。「世の変革を求めて青春をささげた一人の女性が未来に託したものは何か。私たちには応答する責務がある」








