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2022年10月29日(土)

メキシコ 全州同性婚合法化

最後の2州で法案可決

LGBTなど性的少数者「歴史的な日に」

 メキシコで最後まで同性婚を認めていなかった二つの州が25、26日、相次いで同性婚を認める州民法改正案を可決し、これによりメキシコの32州すべてで同性婚が合法化されました。合法化を推進してきたLGBTなど性的少数者の団体からは「今日は歴史的な日だ」と喜びの声が上がっています。

 同性婚を合法化したのは南部ゲレロ州と北部タマウリパス州。タマウリパス州の議会では今年5月、国政与党の左派政党・国家再生運動の提案した合法化法案が反対多数で否決されていました。今回は、ほぼ同じ内容で、右派政党・国民行動党(PAN)のナンシー・ルイス議員提出の法案が圧倒的な賛成多数で可決されました。

 メキシコでは、同性婚を認める連邦法はありません。このため、LGBT団体や人権組織が十数年前から州ごとに合法化を勝ち取る運動を開始。2010年3月に首都メキシコ市(現在は州と同格)で初めて州レベルの合法化が実現しました。

 2015年、最高裁が同性婚禁止は違憲との判断を示したことで、合法化の波が加速しました。昨年末までに24州に合法化が広がり、今年に入って8州が同性婚を承認。その結果、同性婚が合法でないのはゲレロ、タマウリパス両州だけになっていました。

 連邦機関も同性婚全国化のために積極的に動きました。人権や差別解消のために活動する政府機関「全国差別防止会議」は21日、同性婚の権利は「平等と反差別の条件を保障する」と指摘。ゲレロ、タマウリパス両州に対し、同性婚を認める州法改正の具体化を要請していました。

 メキシコメディアは26日、LGBTの権利擁護の象徴である虹色にちなんで、「虹色のメキシコになった」と報じました。LGBTの活動家エンリケ・トーレさんはロイター通信に、「今日はLGBTQの人びととメキシコにとって歴史的な日だ。わが国はより公正な国になった」と語りました。


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