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2022年10月28日(金)

虐待・権利侵害救済の法整備を

宗教2世ら、国に要望書提出へ

 統一協会(世界平和統一家庭連合)やエホバの証人の信者を親に持つ宗教2世らが27日、都内で記者会見を開き、信仰のもとに行われる虐待の実態を訴えました。今国会で権利侵害を救済する法整備を求め、全党や岸田文雄首相、厚生労働相に要望書を提出するとしています。


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(写真)記者会見をする小川さん(右)と小川さんの夫=27日、都内

 安倍晋三元首相の銃撃事件後、親から信仰を強要されることや、身体的虐待、ネグレクトといった、宗教2世の被害が問題になっています。

 要望書は、▽親の思想信条からおこる虐待であっても一般の虐待と同様に児童を救済する▽恐怖による行動の制限・強制を心理的虐待として扱う▽成人後に虐待などに関わる被害があった時に相談できる体制の整備▽他者に虐待行為を行うよう誘導することや指導する行為に刑事罰を科す―ことなどを求めています。

 統一協会の宗教2世の高橋みゆきさん=20代・仮名=は、宗教2世が行政や国に対し、被害の声を上げてきたにもかかわらず、「宗教の問題には介入できない」と見捨てられてきたと指摘。虐待が家庭の問題とされてしまうことについて、「子どもを苦しめているのは親だが、親の行動を狂わせているのはカルト組織。虐待が組織的に行われ常態化している」とし、党派を超え、早急に救済してほしいと訴えました。高橋さんは、宗教虐待防止のための法整備を求める署名を呼び掛けており、賛同者は、現在7万5289人に上っています。

 親が統一協会信者で、この日は夫と出席した小川さゆりさん=20代・仮名=は、宗教2世から集めたアンケートを紹介しました。「3日間の断食をさせられた」「奨学金を使われた」「修練会を優先させられ部活に行けなかった」「韓国系の学校に行かされた」などの声があったと説明。小川さんは、「宗教活動を悪用し、人をだますような悪質な団体に対して国がお墨付きを与え、宗教法人として認めている現状は異常だ」と強調しました。

 エホバの証人の宗教2世の団作さん=仮名・20代=は、集会中に居眠りしたり、親が機嫌を損ねたりした際、コードで体をめった打ちにされた経験を告発。集会や布教活動に参加させられ、「誰にも相談できないまま、やりたいことを一つ一つあきらめていくしかなかった」と述べました。

 高橋さんらは会見後に各党を回り、日本共産党国会議員にも要望書を提出しました。


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