2022年10月28日(金)
COP27への国連報告書、危険を警告 各国の削減目標達成しても→気温上昇 2.5度
11月にエジプトで開かれる国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)を前に国連機関が26日、各国の温室効果ガス排出量の削減目標を集計した報告書を公表しました。現段階の目標を達成しても、今世紀末までの気温上昇は約2・5度(産業革命前比)になる恐れがあるとし、気候変動の国際的枠組みである「パリ協定」の1・5度目標の達成に向け、各国の強化を求めています。
同報告書は、193カ国・地域が提出した目標を国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局がまとめ、分析したもの。昨年のCOP26以降今年9月までに、インドやオーストラリア、ブラジル、エジプトなど24カ国が新たな目標を提出しました。
報告書では、30年までの世界全体の排出量は10年比で10・6%増加すると分析。昨年の報告書に比べ排出量は約3ポイント減少し、気温上昇は0・2度改善されました。
しかし、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書は、1・5度目標には30年までの排出量を45%削減する必要があるとしています。また、最新の報告書で、25年までに排出量が減少へと転じない場合、気温上昇は1・5度を超えると警告しています。
サイモン・スティル事務局長は新たな目標提出国の数の少なさに「失望している」と述べ、「各国政府は、1・5度達成の行動計画を強化し、今後8年間に実行する必要がある」と強調しました。
日本政府が国連に提出した削減目標は、13年比46%減(10年比42%)。IPCCが示した45%削減よりも低いものです。産業革命以来大量のCO2を排出してきた先進国には重い責任があります。
COP27議長国であるエジプトのサーメハ・シュクリ外務相は「より深刻な気候の悪影響と壊滅的な損失や被害から私たちを守るために、より早く、より広い経済分野で排出削減を」と訴えています。








