2022年10月27日(木)
民政移管求めデモ
スーダン 軍事クーデター1年
「権力は人民のもの」
【カイロ=秋山豊】アフリカのスーダンで軍事クーデターから1年となった25日、首都ハルツームをはじめ全国各地で軍政に反対し、民政移管を求めるデモが行われました。ロイター通信などによると数万人が参加し、今年1月以来最大規模の抗議行動となりました。
デモ参加者は主要道路でタイヤを燃やし「権力は人民のものであり、軍の居場所は兵舎だ」と唱和。文民による統治を求めました。
ハルツームでは、デモ隊が大統領府の近くまで行進しましたが、治安部隊が催涙ガスなどを使って弾圧。ナイル川をはさんでハルツームの対岸にあるオムドゥルマンでは、治安部隊のトラックにひかれたデモ参加者が死亡しました。
デモ参加者とともに、民主化を求めているスーダン医師中央委員会によれば、クーデターに抗議するデモが始まって以来、死者は119人となりました。
同国では2018年12月、パン値上げ反対のデモが始まり、バシル大統領退陣を求める抗議行動に発展。19年4月、30年におよんだバシル政権が倒されました。
バシル政権崩壊直後、軍が移行期の権力を独占しようとしましたが、民主化を求める民衆はデモで抵抗。民主化勢力と軍は民政移管まで合同で統治することで合意したものの、軍は21年10月25日、クーデターを起こし、軍民の合同統治体制を解体しました。
民主化を目指す勢力の連合体「自由と変革の宣言勢力」は事態打開のために軍と交渉を継続中です。幹部は交渉は順調で、治安部門の改革などに関する意見の違いも「克服されるだろう」とロイターに説明しました。
ただ、デモ参加者の中には軍との交渉を拒否する立場の人も多くいます。
大学生(21)は、「軍がインターネットを切断し、橋を封鎖したとしても、彼らが退くまで圧力をかけ続ける」と述べました。








