2022年10月25日(火)
2022年米中間選挙
人種マイノリティー 政治参加進む
州知事選・議員選 女性候補 最多
【ワシントン=石黒みずほ】11月8日に迫った米中間選挙で、州知事選、州議会選に挑む女性候補が過去最多となったことがこのほど、明らかになりました。多くの州で初の女性知事や初の女性議員が誕生する可能性があり、注目されています。
![]() (写真)ジョージア州知事候補のエイブラムス氏(同氏のフェイスブックから) |
女性の政治参加を研究する東部ニュージャージー州のラトガーズ大学の「女性と政治センター」は、9月27日に中間選挙の女性候補者に関する調査結果を公表しました。それによると、州知事選に立候補した女性は2018年の16人を上回る25人(民主16、共和9)となり、過去最多を記録。州議会選では、前回20年の3446人から3552人(民主2272、共和1262、他18)と上昇し、共和党は過去最多となりました。上院選、下院選、州知事選の全候補者に占める女性の割合は、それぞれ35%以下となっています。
3州で優勢
全米でこれまで女性が知事を務めたことのない州は19州あり、うちニューヨーク、アーカンソー、マサチューセッツの各州では女性候補が優勢となっています。マサチューセッツ州のヒーリー候補(民主)は当選すれば、レズビアンを公表する初の州知事となります。ジョージア州のエイブラムス候補(民主)は、同州初で全米初の黒人女性の知事となる可能性があります。
議会議員選では、上下両院とも前回18年より減少したものの、州初の女性議員誕生に期待が高まっています。アラバマ州ではブリット候補(共和)が優勢となっており、当選すれば同州選出初の女性上院議員となります。全米3州では女性下院議員を選出したことがなく、バーモント州ではバリント候補(民主)が勝利すれば、同州選出初の女性国会議員誕生となります。ニューハンプシャー州では、25歳のレビット候補(共和)が現職上院議員と競り合いになっており、「Z世代」(1990年代中盤以降に生まれた世代)の議員誕生が期待されています。
黒人や中南米系をはじめ人種マイノリティー女性の政治参加も前進しています。
中南米系の女性候補37人が下院選に立候補し過去最多を記録。イリノイ州ではラミレス候補(民主)が優勢で、他6州で州選出初の中南米系女性議員の誕生の可能性があります。
黒人女性候補も増え、第1回投票では過去最多の22人が上院選に立候補しました。現職上院議員の黒人女性はおらず、歴代でも2人しかいません。現在も候補者が残る4州のうち、フロリダ州とノースカロライナ州では激戦となっています。
![]() (写真)イリノイ州下院議員候補のラミレス氏(同氏のフェイスブックから) |
重要性認識
米テレビに出演した同センターのディットマー事務局長は、多くの女性が政界進出していることについて「過去2回の選挙を通して、女性たちは重要選挙で勝利できる能力を示してきた。政党幹部や女性自身が、女性は最良の候補者になれること、女性が政策決定の場に参加することの重要性を認識しているのではないか」と解説。「女性の参加により多様な意見が議論に持ち入れられることでより多くの人々の声が結果に反映される」として、政治分野でジェンダー平等の重要性を訴えました。










