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2022年10月25日(火)

きょうの潮流

 「チャレッソ(よくやったね)」。相手をほめたたえる韓国語の言葉が、かけ橋になってきました。スピードスケートで世界の頂点に立った小平奈緒さんと韓国の李相花(イ・サンファ)さんです▼ふたりの姿は人々の記憶に刻まれてきました。ライバルとして臨んだ4年前の平昌五輪・女子500メートル。優勝した小平選手が涙にくれる李選手の肩を抱いてかけたひとこと。今年の北京五輪で下位に低迷した小平選手に、李さんが放送席からとどけた言葉。それが「チャレッソ」でした▼10代の頃から競いあうなかで親交を深めてきました。ともに刺激し、背中を追ってきた存在。トップに立ちつづける重圧、けがを負いながらの五輪のレース―。いくつもの同じ思いを共有してきました▼22日の小平選手の引退レース。会場のスクリーンに李さんからの日本語のメッセージが流れました。「私たちは目標を達成した。これからも奈緒の未来を応援するよ」▼国境をこえて人間同士がつながり、友情をはぐくむスポーツのすばらしさ。ほんらいオリンピックの舞台は、両選手が体現したような人間賛歌を大いにアピールする場ではなかろうか。ところが東京五輪では、スポーツを食い物にしたみにくい姿ばかりが…▼築いてきた関係を今後もつづけていきたいというふたり。小平さんは未来のアスリートたちにこんなメッセージを送っています。「ぜひ互いを尊重し、違いを分かろうとし、その人が積み上げてきた努力を認め、励ましあえる仲間を見つけてください」


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