2022年10月23日(日)
真ん中世代のとりくみの意義を原点からつかんで全党運動に
党建設委員会責任者 山下芳生
全国都道府県真ん中世代担当者会議が13日に開かれ、経験や教訓が双方向で活発に交流されました。会議をふまえて、このとりくみについての山下芳生党建設委員会責任者の論文を紹介します。
![]() (写真)山下芳生党建設委員会責任者 |
「ウクライナ侵略で抗議行動に真っ先に立ち上がったのは、真ん中世代の学習交流会に参加している人たちでした」
13日、中央として初めて開いた全国都道府県真ん中世代担当者会議は、真ん中世代の党員が持っているエネルギーの大きさがうきぼりとなるなど、真ん中世代での党活動と党建設の重要な意義を学びあう会議となりました。
同時に、真ん中世代のとりくみは、第28回党大会第二決議(2020年1月)で提起した党づくりの新しい課題であり、全党的な運動へと発展させるためには、この分野での党活動と党建設の方針を、党大会や中央委員会総会の決定に即して、あらためて原点からつかむことが大切です。
なぜ党大会第二決議はこのとりくみを提起したか
党大会第二決議が、真ん中世代の党員の成長と活動の場を保障することを提起したのはなぜか。原点はどこにあるのか。それは、第二決議が、党建設の危機的な現状をリアルに共通の認識にしたことにあります。
党大会に向けて全国の地区委員長から寄せられたアンケートには、党の事業を若い世代に継承することが緊急で死活的な課題になっていることなどとともに、新しい党員を迎えても支部会議に結集できないなど、「党員の成長をはかれる自信がない」という悩みが共通して報告されていました。このなかで、民青同盟員だった時期には元気に活動していた同志が30代、40代になると党活動に参加できていない状況、入党して間もない真ん中世代の同志が支部会議に参加できていない状況が、かなり広範にあることも明らかとなりました。せっかく入党して、初心もエネルギーも持っているこの世代の同志の多くが、党活動に参加できない、力を発揮できない状態にある。これを党全体として放置するわけにいかない、そのために党活動の改革・発展にあたろう――これが第二決議で真ん中世代のとりくみを提起した原点です。
党大会の討論ふまえ特別な位置づけに
こうした認識と決意に立って、第二決議は、党建設の改革・発展の方向として、「一人ひとりの初心と可能性が生きる党になろう」とよびかけ、「支部と党機関が協力して、若い世代の成長と活動の場を保障する」ことを提起しました。
「新入党員が支部にいる党員と世代が離れている場合、学習を活動の中心にすえ、長い目で見てその成長を支え、同世代の要求にこたえる活動や後援会活動などにのびのびととりくみ、結びつきを広げ、同世代の人びとを党に迎える活動をみんなで保障し、支えよう。都道府県・地区委員会が、同世代の党員が学び交流する場を積極的につくることも重視しよう」という方針も、このなかで提起されました。ここでは、若い世代、真ん中世代の党員が所属する、支部での努力方向を示すとともに、全国の進んだ経験に学んで、党機関が、この世代の党員の成長と活動参加に積極的な役割を発揮することをよびかけていることが重要です。
党大会での討論では、党機関が、学習と交流を大切にして、真ん中世代の党員の成長と活動参加をはかっている経験が豊かに交流されました。討論をふまえた結語では、真ん中世代の党員が学び交流する場が、「30代、40代の若い党員からも、また若い党員が所属する地域支部からも、待たれていた」ことを明らかにしたうえで、「30代、40代の党員の生き生きした活動を保障するうえでも、また同世代の中で党をつくるうえでも、この提起がきわめて重要であることをうきぼりにしてくれた」と強調し、「全党が、30代、40代の党員一人ひとりに寄り添って、こうしたとりくみにチャレンジしよう」と、真ん中世代のとりくみの特別な位置づけを明確にしました。
4中総でこの活動の大きな意義が明確に
さらに、第4回中央委員会総会決定(21年11月)は、世代的継承のとりくみの一つとして、「30代~50代の真ん中世代での党活動と党建設の前進」をよびかけました。
4中総の幹部会報告は、党大会後、真ん中世代の党員への援助を強める努力が広がっているとして、「地域支部や職場支部に所属しながら、仕事や子育てなどの事情で党活動に参加することが困難になっている真ん中世代の党員に、党機関が粘り強く働きかけ、同世代の党員がオンラインも活用して集まり、学習と交流を行うことが大きな力になってい(る)」こと、「どこでも学習と交流が、党員としての自覚を高める契機となり、選挙での宣伝活動、つながりを生かした対話・支持拡大、読者拡大、党員拡大、配達・集金活動など、次のステップに踏み出している」こと、「このことが、所属する地域支部や職場支部の活動の活性化につながっている」ことに注目しました。
そして、「党の世代的継承という場合、新しい党員を迎えること、青年・学生のなかに党をつくることとともに、すでに党のなかにいる、党の事業を継承してもらうべき同志たちの力を引き出すことも重要となっています」と、この活動の大きな意義を明確にしました。
このように、真ん中世代での党づくりの方針は、党建設の現状をふまえた全党の探求・開拓の努力によって、練り上げられ発展させられてきた方針です。全国担当者会議では、この分野のとりくみが、党の現在と未来にとって大きな可能性をもっていることが共通の確信となりましたが、可能性を現実のものとするためにも、党大会第二決議や4中総決定にくり返し立ち返り、方針を原点からつかんで実践に生かすことが重要です。
「いま、党の中には、志を持ちながらも、仕事や子育てに忙殺されて力を発揮できない党員がたくさんいます。ここにさらに力を注げば、党の力を強める大きな条件があります」(4中総の結語で紹介された発言)――全党が、この立場に立って、真ん中世代での党活動と党建設を前進させようではありませんか。私たち中央も系統的な努力を強めます。









