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2022年10月22日(土)

英トラス首相辞任表明

就任44日

 【レイキャビク=桑野白馬】英国のトラス首相が20日、辞任を表明しました。9月下旬に打ち出した富裕層減税を含む経済対策が国民の怒りを呼び、全国各地でストや抗議行動が頻発。金融市場の混乱を招き、大半の政策が撤回に追い込まれるなか、就任からわずか44日での辞任表明に追い込まれました。

 トラス氏は首相官邸前で声明を発表。保守党の党首を辞任するとチャールズ国王に伝えたと明かしました。みずからの経済失政について、経済と国際情勢が「非常に不安定な」時期だったと釈明し、「今の状況では、保守党から負託された任務を果たすことができない」と述べました。

 物価やエネルギー価格の高騰で国民生活が危機に直面するなか、トラス氏の政策は「富裕層優遇」と大きな批判を浴びました。英通貨ポンドと英国債価格が急落した結果、今月中旬には財務相を更迭し、政策の大半を撤回しました。さらに19日、不祥事が理由で辞任した内相が、書簡で首相批判を展開。保守党内からもトラス氏の退陣を求める声が上がっていました。

 保守党は後任を決める党首選の準備に入ります。候補者には、スナク元財務相のほか、ジョンソン前首相の名も報じられています。

 労組や、貧困とたたかう市民団体、労働党の左派議員が共闘する組織「もうたくさんだ」はツイッターで、保守党政権の緊縮政策のもとで多くの国民が貧困に陥ったとして「壊してしまった社会を元に戻すか、下野すべきだ」と強調しました。


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