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2022年10月20日(木)

不公平 使用やめよ

都立高受験スピーキングテスト 専門家が要望

 東京都教育委員会がベネッセと共同実施する英語スピーキングテスト(ESAT―J)の結果を、都立高校入学者選抜に使用しないよう求めて、英語教育やテストの専門家5人が19日、都庁で会見しました。

 慶応大学名誉教授の大津由紀雄さんらは14日、都教育長や教育委員あてに要望書を提出。大津さんは「実施を許容すれば、他県に広がる可能性がある」として、公平性が確認できるまで入試への使用をやめるよう、求めました。

 都立高校は私立や都外の中学生も受験できますが、ESAT―Jの対象は原則、都内の公立中学生です。不受験者には英語の学力検査が同点程度の人の平均が「仮の結果」として付与されます。しかし、「学力検査で高い点数でも、合計で逆転することがある」とシミュレーションを紹介したのは、テスト理論に詳しい東京大学名誉教授の南風原朝和さん。「不公平がどれだけ起きるかデータがないまま、仮の結果を使うのはやめるべきです」

 京都工芸繊維大学名誉教授で、コンピューター方式のスピーキングテストの開発運営に関わってきた羽藤由美さんは、ESAT―Jのプレテストでの事故の7割は監督者によるものと指摘。「とっさの判断を求められる試験監督が1日限りのアルバイトでは、受験生が被害を受けることが危惧されます」

 立教大学名誉教授(異文化コミュニケーション学)の鳥飼玖美子さんは「人生を左右する中学3年生の入試の公平性を確保するのは、おとなの責任」と強調。東京大学教授(英米文学)の阿部公彦さんは「テストする業者が試験対策も行うことが、根本的な問題だ」と批判しました。


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