2022年10月18日(火)
きょうの潮流
両親とも統一協会の信者で多額の献金をしていた。家は困窮し床屋にも行けず、服もおさがりばかりでいじめられた。自立のためにためたお金を親に献金された。教義との矛盾やストレスで入院もした―▼2世信者だった小川さゆりさん(仮名)のつらい境遇が国会でも紹介されていました。高額の献金や霊感商法、数々の人権無視の教え。社会の規範や道徳から大きく逸脱した世界で多くの2世信者らが苦しみ、人生をふみにじられてきました▼安倍元首相を襲った容疑者もその1人でした。母親が献金をくり返し、食べるものさえないほど家は貧しさを極めていたといいます。公的な支えもなく、大病を患っていた兄は自殺。暗闇のなかでうっくつとした感情をため込んで…▼岸田首相が統一協会への調査を行うよう文科相に指示しました。あの銃撃事件から100日余り、いまさらの感はありますが、やるなら徹底して実態を調べるべきです▼もっとも、互いの利益のために、国から地方まで協会と手を組んできたのが自民党の議員。本紙の追及キャンペーンは、協会の信者が2世信者らに向けて衆院議員の秘書募集の案内を送っていたことを明らかにしています▼消費者庁の有識者検討会は統一協会について解散命令の請求も視野に入れた報告書をまとめました。被害の救済を訴えてきた小川さんたちも解散を求める署名活動を始めました。人の弱みにつけこみ、多くの人生を狂わせてきた反社会的な団体と政治の根を、今度こそ断つために。








