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2022年10月18日(火)

「私の傷は一生の傷」

性暴力被害元自衛官 加害者が直接謝罪

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(写真)記者会見する五ノ井里奈さん(左)。右端は本村伸子衆院議員=17日、衆院第2議員会館

 元陸上自衛官の五ノ井里奈さん(23)が自衛隊内で受けた性暴力被害を告発した問題で、加害者である自衛官4人が17日、非公開の場で五ノ井さんに謝罪しました。謝罪後の記者会見で五ノ井さんは、「先の見えないたたかいだった。直接謝罪をもらえ、本当に遅かったが、区切りにしたい」と語りました。

 約1時間で1人ずつ個別に謝罪を受けたといい、「加害者は事実を認め、何度も頭を下げた。涙を流す方や土下座して謝罪する方もいた」と報告。最初、証言しなかった理由を問うと「家族に知られたくなかった」「仲間をかばうため」と答えたといいます。

 五ノ井さんは、「自衛官として活躍するという夢を、軽率な行動で壊して申し訳ない」などと記された加害者の手紙を読み上げ、「私の傷は一生の傷で謝罪されて癒(い)やされるわけではない。しっかり罪を償ってほしい」と語りました。

 五ノ井さんは、被害を実名で告発し、8月末に第三者委員会による徹底調査を求めた10万5000人超の署名を防衛省に提出。これを受け、同省は21年6月の隊員からの性的接触、21年8月の複数の男性隊員からの押し倒し・性的接触やその行為の口止めなどの被害を認定しました。検察審査会は22年9月、五ノ井さんの被害について不起訴不当と判断し、検察による再捜査は継続中です。

 五ノ井さんは会見で、自衛隊内の性暴力に関し、「私の問題は内部で解決できなかったから告発した。隠ぺいできないよう外部の人の相談窓口をつくって対応してほしい」と指摘。最後に、署名した人らに謝意を述べ、「私は被害にあったから静かに暮らさなければいけないのではなく、一人の人間として自分らしく生きたい」と語りました。

 日本共産党から本村伸子衆院議員が同席しました。


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