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2022年10月12日(水)

きょうの潮流

 値上げの秋です。スーパーに並ぶ果物も値札をみると秋の味覚を楽しみたい気持ちが吹き飛んでしまいます。今後7千もの食料品が順次値上げされると聞いてぞっとします▼1日から全国で最低賃金が引き上がったものの、物価上昇にも追いつきません。一年を通して働いても年収200万円以下の「ワーキングプア(働く貧困層)」が、16年連続で1千万人に上るとのニュースも。貧困から抜け出すためにも全国一律1500円の最賃は待ったなしです▼ロシアのウクライナ侵略で燃料費や物価の高騰が世界を襲うなか、欧州では労働者が街頭に繰り出し、たたかっています。「生活できる賃金をよこせ」と▼ドイツでは1日から最賃が時給12ユーロ(約1700円)に。今年3回目の引き上げは、政治主導で決まりました。金額は「賃金中央値の60%」超に引き上げました▼欧州は欧州連合(EU)の「適正な最賃に関する指令」の採択で、新たな章に入りました。国ごとに所得の中央値の60%を相対的貧困の基準にし、それを指針に「人間らしい生活水準を保障するのに十分な額」か、各国に最賃を点検するよう求めています。貧困から抜け出す最賃へ▼ドイツのハイル労働相は「貧困に陥る心配のない最賃」と呼び、賃上げは「公正な評価と、献身的な働きへの敬意」だと強調します。日本では賃上げどころか実質賃金はこの10年で年間平均27万円も減少、世界の流れに逆行しています。「貧困に陥る心配のない最賃」の実現は政治の責任です。


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