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2022年10月6日(木)

ロシア 同盟国も批判

カザフが動員忌避者受け入れ

「併合」機に動き強まる

 ロシアのプーチン政権のウクライナ侵略・領土併合は、同盟国からも嫌気がさされ、同政権はますます孤立を深めています。ロシアを中心とする独立国家共同体(CIS)は、軍事同盟も結成していますが、その同盟国で批判、距離を取る動きが広がっています。(田中健一)


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 特に批判を強めているのがロシアと国境を接するカザフスタンです。トカエフ大統領は、プーチン政権の部分的動員令で、ロシアから逃れた人が急増する中、ロシアの反発をものともせず「徴兵に直面するロシア人が希望なき状況に陥っており、人道的な問題だ」と受け入れを表明しました。

 ロシアの反体制派メディア「ノーバヤガゼータ欧州」9月28日付記事は、トカエフ大統領が「隣人とのよき関係は平和のカギ」と発言したことを引用し、ロシアによるウクライナ侵略戦争、ルガンスク、ドネツクの両人民共和国のウクライナからの「独立」承認のいずれにもカザフスタンが反対したことに言及。「クレムリンの政治家は、カザフスタンがロシアの拡張主義を理解し、戦場に兵士を送ることに賛成だと思うならば、大いなる誤算だ」と指摘しました。

 カザフスタン内務省の4日現在の発表では、部分的動員令以降、ロシアからカザフスタンに逃れた人は、20万人を超えます。

 英フィナンシャル・タイムズ紙は4日、「今到着した多くの人は、将来の具体的計画がない」と報じ、急いでロシアを逃れる様子を伝えました。国を離れた人たちについて「カザフスタン側の国境の町オラルで(同紙の)取材に応じた17人のロシア人は、ほとんど全員がプログラマーや弁護士、ブロガー、バー経営者といった若い専門職で、動員令発令の9月21日に全てを残して、急いで国を離れた」「(ロシアは)劇的な頭脳流出」を招いたと報じました。

 他の中央アジア諸国でもロシアのウクライナ戦争に対して距離を取る動きが広がりつつあります。

 キルギスはロシアへの直接批判は避けていますが、同国の国民保安国家委員会(GKNB)は4月、ウクライナ戦争支持を象徴するマーク「Z」を「民族間の憎悪をあおる」として使用を禁止すると発表しました。同国文化省付属の映画監督機関も4月、「国際的状況を鑑み」、一度上映を認めたウクライナ戦争をロシアの立場で描写した映画の上映を禁止する措置を取りました。

 また一部西側メディアはキルギス高官が「占領した地域での住民投票は合法なものとは認められない」と批判したと報道しました。

 トルコの半国営アナトリア通信は、部分的動員令を受け「在モスクワのキルギス、カザフスタン、ウズベキスタンの3カ国の大使館がそれぞれ、ロシア在住の国民にウクライナ戦争に従軍することを禁止する声明を発表した」と伝えました。


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