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2022年10月4日(火)

きょうの潮流

 「聞く力」ではなく、「聞かない力」だったのか▼政権の座に就いてから4日で1年を迎える岸田文雄首相。「被爆地・広島出身の首相」を売りにしながら、核兵器禁止条約への参加を求める被爆者の声を聞かない。沖縄県民が幾度となく、「辺野古新基地ノー」の民意を示しても、その声を全く聞こうとしません▼いや、別の「声」を聞く力は、確かに備わっています。故・安倍晋三氏をはじめとした自民党内の実力者たち。そして、財界やアメリカ政府の声です。敵基地攻撃能力の保有や軍事費2倍化、憲法9条の改定を安倍氏の「遺言」として忠実に推進。アベノミクスの核心部分だった「異次元の金融緩和」に手を付けず、物価高騰の原因となっている異常円安を放置…▼党内実力者の「声」しか聞こえない岸田首相。ついには多くの国民の「反対」の声を無視して強行した安倍氏の「国葬」や、自民党と反社会的勢力・統一協会との癒着で対応を誤り、自らを窮地に追い詰めることになりました▼3日に開会した臨時国会の所信表明演説で首相は「国民の厳しい声にも、真摯(しんし)に、謙虚に、丁寧に向き合っていく」「厳しい意見を聞く姿勢にこそ、政治家岸田文雄の原点がある」などと述べました。今さら何をいっているのか、と強い憤りさえ覚えます▼本当に「厳しい意見を聞く」というのなら、まずは安倍氏がどう関わってきたのかをはじめ、統一協会との癒着ぶりを徹底的に解明すること。そして「国葬」は誤りだったと認めることです。


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