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2022年10月1日(土)

「混沌流」酒井、混戦制す

囲碁新人王戦 持ち味を発揮

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(写真)終局後、検討を行う酒井佑規三段(右)と大竹優七段。左から2人目は立会人の蘇耀国九段=30日、東京都千代田区の日本棋院

 囲碁の第47期新人王戦(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負は、分かりやすさを信条とし本因坊リーグ入りを果たした大竹優七段(20)と、乱戦でこそ力を発揮する「混沌(こんとん)流」と称される酒井佑規三段(18)の対決として注目されました。

 30日の第2局は、酒井三段が持ち味を発揮、難しい混戦を連勝して三番勝負を制しました。

 本局は大竹七段の先番。穏やかな落ち着いた立ち上がりとなりました。

 白44の仕掛けに対し、黒45と反撃してたたかいが始まりました。立ち会いの蘇耀国九段は「黒の実利に対し白の厚みという展開です」と言います。

 昼食休憩直前に打った白80が意表を突く一手でしたが、空振りに。黒に手抜かれて左辺を補強されてみると、黒が打ちやすいと見られました。

 コウ争いもにらみながら、左辺をめぐる激しい攻防がつづき、黒129と白五子を飲み込み、白130と上辺を押さえた局面について、蘇九段は「黒は五子を取りましたが、白は中央を厚くして、まだまだこれからの勝負」と評価しました。

 争点は、下辺から中央へのたたかいに。「黒143~149がやり過ぎでした」と、記者室を訪れた外柳是聞四段(前期新人王)。黒が白から狙われる一団をつくってしまったものの、黒171まで黒もおさまり一段落。ヨセ勝負となりました。

 黒が多少有利かとみられていましたが、ノータイムで打った黒187が疑問手。その後、大竹九段は頭の後ろに手をやる、首をかしげる、うつむくなど、動揺が隠せません。

 285手完、整地して白1目半勝ちを確認、新人王が決まりました。

 「運がよかった」と淡々と語る酒井三段に対し、大竹七段は「うっかりしていた。大事なところで凡ミスしてしまったのが悔やまれます」と肩を落としました。大竹七段には、来期、最後の新人王戦に臨むチャンスが残されています。

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