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2022年9月28日(水)

「国葬」一色報道 TV異常

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(写真)いっせいに「国葬」を中継するテレビ各局

 安倍晋三元首相の「国葬」がおこなわれた27日、テレビ各局は一部を除いて「国葬」の模様を生中継するなど、異常な報道ぶりとなりました。

 午後2時からの「国葬」。テレビ東京が1時40分から5分間、「直前最新情報」と報じた以外は、NHK、民放各局とも「歴史的1日を完全中継」(日本テレビ)、「総力生中継」(TBS)などと報じました。NHKは、3時半までの予定を4時すぎまで延長しました。

 問題だと思ったのは、中継にはさむ識者らのコメントの大半が、アベノミクス、安保法制、特定秘密保護法、外交など安倍政治を礼賛する内容だったことです。「国葬」とは何かという基本的な押さえや、憲法違反だという指摘はほとんど見られませんでした。

 午前中の各局の情報番組に続いて、会場の日本武道館に近い九段坂公園に設けられた一般献花台の様子や警備状況、中身のない弔問外交などを繰り返し報じるのにはうんざりでした。

 国会前集会の映像を流す場面もありましたが、なぜ、反対しているのか、掘り下げようとせず、反対する人々が、国論を二分させている張本人であるかのように印象付けようとしているようで気になりました。

 とはいえ、テレビ朝日が「どうなる統一協会との関係」として、「政府・自民党が関係を絶つことができるのだろうか」と疑問を投げかけたり、日本テレビが「検証 歴代最長の弊害」として、PCR検査を増やさなかった新型コロナ対策、森友学園・桜を見る会疑惑、給与が上がらなかったアベノミクスなどをあげていました。

 これらは世論の反映でもあります。テレビは、権力監視という役割を忘れないでほしい。(藤沢忠明)


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