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2022年9月27日(火)

「国葬」 今も大きくなり続ける反対世論

署名26万超に 呼びかけ人声明

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(写真)安倍元首相の「国葬」に反対する署名を提出する人たち=26日、内閣府前

 安倍元首相の「国葬」中止を求めて、東京大学名誉教授の上野千鶴子さんや作家の落合恵子さんなど著名な17人が呼びかけたオンライン署名の最終集計が18万8064人に、紙の署名7万8963人とあわせて合計26万7027人分になったと26日、発表されました。呼びかけ人が「岸田首相の責任は大きい」とする声明を発表し、「今からでも遅くありません。安倍元首相の『国葬』は中止すべきです」としています。

 声明では、これだけ多くの署名が集まり、「国葬」反対の世論が今も大きくなり続けていることに「市民社会の強さを感じる動きです」と指摘。国葬を実施するまともな理由を説明できず、「『聞く力』をなくした政治への怒りは、岸田政権の支持率急落でも明らか」と述べています。

 統一協会(世界平和統一家庭連合)と安倍元首相との関係の深さが明らかになるなか、岸田首相が政治的思惑だけで「国葬」実施を決めたことで社会の分断と対立が深まり、混乱を招いたと批判。「強行するなら、国民軽視の政治を問う取り組みを市民のみなさまとともにつくりだしていきたい」と結んでいます。

 署名は、事務局の総がかり行動実行委員会の代表らが内閣府へ提出しました。

署名呼びかけた著名17人の声明全文

 オンライン署名を呼びかけた著名な17人の総意として発表した声明「安倍元首相の『国葬』を強行する岸田首相の責任は大きい」の全文は次の通りです。

 8月23日によびかけた「安倍元首相の『国葬』中止を求めます」のアピールネット署名は、一月の間に18万8千筆をこえる方々の賛同をいただきました。また、よびかけ文を印刷して賛同いただきあるいは署名として集めたもの7万8千筆以上の送付をいただきました。

 ご協力いただいたみなさまに、心からの感謝を申しあげます。

 全国各地での様々な行動と署名とが響きあい、安倍元首相の「国葬」に反対する声を大きくし、いずれの世論調査でも反対の割合が過半をこえ賛成を上回り、いまでも大きくなり続けています。市民社会の強さを感じる動きです。

 岸田首相は国会の閉会中審査で、決定に至る経過や理由などの説明をおこないました。しかし、その説明を納得できないという世論が多数です。このような市民のうけとめと、自民党内部から聞こえてくる「国葬」強行の声とは交じり合う点がありません。浮世離れし、「聞く力」もなくした政治への怒りは、岸田政権の支持率急落でも明らかです。

 「国葬」を実質化する法令がないにもかかわらず、国会にも諮らずに閣議決定のみで税金を使って実施すること、法の下の平等を定めた第14条など憲法と「国葬」との不一致ないし不適合、市民の間で評価が完全に割れている安倍元首相の業績を「国葬」実施の理由とすることなどが、中止を求める主要な点でした。それらの点への誠意あるまともな説明は一つもありません。

 また、「国葬」実施の閣議決定がなされたあと、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と安倍元首相との関係の深さが明らかになりました。「国葬」の対象とする以上、この点を調査して公表することは必須であり、多数の市民も求めていますが、岸田首相は調査の意思さえ示しません。閣議決定時とは異なる事情が生じたにもかかわらず、見直さない自己絶対化の姿勢も強く非難されるべきです。

 安倍元首相の「国葬」をめぐって、社会の分断と対立が深まり、混乱しています。それは、憲法制定とともに「国葬令」が廃止されていたにもかかわらず、政治的思惑で独断的に実施を決めるという「原則なき政治」の結果です。その責任はあげて岸田首相にあります。

 今からでも遅くはありません。安倍元首相の「国葬」は中止すべきです。

 多くの国民の共感を得られないまま強行するなら、国民の分断をまねく岸田政権の責任は重く、国民軽視の政治を問う取り組みを市民のみなさまとともにつくりだしていきたいと考えます。


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