2022年9月22日(木)
弔意の強制許さない
渋谷ハチ公前 宗教者ら祈念行動
宗派を超えた宗教者らが21日、東京・JR渋谷駅前で安倍晋三元首相の国葬に反対して「国民に弔意を強制してはならない」とアピールする祈念行動をしました。呼びかけたのは、「平和をつくり出す宗教者ネット」など4団体です。
宗教者ネットの江上彰さんが、安倍元首相の「国葬」閣議決定撤回を求める諸宗教者共同声明を朗読しました。森友・加計学園問題や桜を見る会の問題などで安倍元首相の退陣は国民の政治不信を深めたことは論をまたないと強調。「現憲法は第19条で思想・良心の自由が保障され、第20条で信教の自由が表明されています。国民の弔意が権力によって強制されることがあってはならない」と呼びかけました。
神道の奥田靖二神主は、国民の評価が二分されるような人に「亡くなったからすべての人が弔意を表せ」とすることは、悪い点は全部無視して立派な人だったとすることになると指摘。「全国民、特に子どもたちに学校教育を通じて弔意を強制することは誤りである」と訴えました。
ベリス・メルセス宣教修道女会の弘田しずえさんは「死者を弔うことは、極めて宗教的な意味を持つ個人の心の問題。今国民の半数以上が、国葬に反対している。国全体で弔うことが意味をなさないのは明らかだ」と述べました。
山形県鶴岡市から駆け付けたカトリック信者の女性(64)は「沖縄県の民意をないがしろにし、福島県の汚染水問題も何も解決しないまま。安倍元首相を許すことができない」と、国葬反対を訴えました。